日本での出店申請開始!TikTok Shopの成功事例5選:美容やアパレルの海外事例を紹介

急成長を続けるショート動画市場。中でも、特に注目を集めているのが「TikTok Shop(TikTok ショップ)」です。ショート動画とECを融合させた革新的な販売チャネルとして、海外ブランドを中心に続々と参入が進んでいます。
ECサイトを運営する経営者にとっては、見逃せないソーシャルコマース(= SNS × EC)のひとつと言えるでしょう。
とはいえ、「TikTokは活用しているけれど、ショップ機能との連携方法がわからない……」「導入すべきか判断がつかない……」といった悩みや不安を抱えている方も少なくありません。
本記事では、TikTok Shopの基本から導入のメリット、成功事例・失敗事例、導入時に意識したいポイントまでをわかりやすく解説します。
TikTok Shop導入を検討するきっかけとして、ぜひ読んでみてください。
TikTok Shop(TikTok ショップ)とは?
TikTok Shop(TikTok ショップ)は、ショート動画SNS「TikTok」内で商品を販売・購入できるEC機能です。動画視聴中に商品を購入できる仕組みが特徴で、SNSとECがシームレスにつながり、衝動買いを自然に誘導します。ユーザーはコンテンツを楽しみながら気になった商品をその場でチェック・購入できるため、従来のECよりも購入率が高まりやすいです。
▶TikTok Shopと他のECショップとの違い
従来のECでは検索や比較を前提とした購買行動が主流でした。しかしTikTok Shopでは、アルゴリズムによって「興味・関心ベース」のコンテンツがユーザーに表示されます。つまり、探すのではなく、ユーザーの興味・関心に基づいた商品がおすすめされる発見型のECなのです。これにより、ブランドや商品の認知が一気に拡大する可能性があるのです。
▶TikTok Shopを開設するには?
TikTok Shopの導入は簡単です。法人または個人事業主としてビジネスアカウントを登録し、複数の審査を通過すれば利用可能になります。必要な書類は、事業者情報・銀行口座情報・商品情報など。審査後は、商品登録やショップサイトのカスタム、コンテンツ配信と販売の準備ができます。
出店方法は以下の記事から確認できます。
関連記事:【2025年6月最新版】TikTok Shop出店ガイド | 遂に日本上陸 | 出店すべき3つの理由と出店方法 | 始め方や販売手数料も公開
▶TikTok Shopは世界中で利用されている
2021年にイギリスで導入されて以降、アメリカ、タイ、インドネシア、ベトナムなど世界各国へと広がっています。特にアメリカでのGMV伸長が顕著で、世界規模で見てもTikTok Shopは主流マーケットとして確立しつつあります。
TikTok Shopでできること
TikTok Shopには、以下のような機能が搭載されています。これらを使いこなすことで、商品訴求から販売までの導線を確立できます。
▶ショッピングカート付きショート動画
ショート動画に商品タグを付け、視聴中に商品詳細ページへ進める仕組みです。欲しいと思った瞬間に購入まで誘導できるため、購入率向上に効果的です。
▶ライブショッピング
ライブ配信中に商品紹介・購入促進が可能。MCによる実演、Q&A対応、数量限定セールなどを組み合わせることで高い反応率と販売力を発揮します。ライブでの双方向のコミュニケーションにより、顧客の更なるファン化を実現することができます。
▶ショップタブ
アプリ内でおすすめの商品を検索・購入できるタブ。企業は新規ユーザーに商品を発見してもらえる可能性が広がります。
▶アフィリエイトプログラム
インフルエンサーやユーザーが商品を紹介し、成果報酬を得られる制度。広告費を抑えつつ認知拡大・購買促進が可能です。
▶ショップ広告
ショップ広告には、Video Shopping Ads(動画ショッピング広告)、LIVE Shopping Ads(ライブショッピング広告)、Product Shopping Ads(商品ショッピング広告)、GMV Max広告、Live GMV Max広告の5種類があり、各ショップ広告ごとで商品を宣伝できます。
TikTok Shop導入のメリット
TikTok Shopは単なる販売チャネルの拡張ではなく、事業全体の成長に貢献する以下のようなメリットがあります。
▶売上拡大
TikTokの強力なレコメンドアルゴリズムによりおすすめに表示される動画コンテンツがユーザーの新たな「発見」に繋がり、動画の臨場感がユーザーの購買意欲を高め、購入率向上につながります。商品や価格だけでなく「体験」が売上に直結します。
▶新規顧客への認知
TikTokの拡散力により、まだ自社を知らないユーザーにも商品を届けることが可能。特にZ世代・デジタルネイティブ世代へのリーチに優れています。
▶運用コストの削減
初期費用や月額利用料が不要な点に加え、広告費をかけずとも動画やライブで集客・販売が可能です。成果報酬型アフィリエイトとも相性抜群で効率的に運用できます。
▶競合店舗の少なさ
立ち上げ期のフェーズだからこそ、他ECモールと比較し際に競合店舗が少ないことが見込めます。社内リソース不足やシステム連携面だけでなく、TikTok Shopに必要な動画やライブ制作に関するノウハウが不足していることから二の足を踏んでしまう企業様も多いでしょう。
TikTok Shop成功事例
実際にTikTok Shopを活用して成功を収めた国内外ブランドの事例を紹介します。施策のポイントを分析し、自社の取り組みに活かしましょう。
▶ロレアル(イギリス)
2024年9月のTikTok Shop UK「Super Brand Day」で 12時間のライブ配信+ショート動画+プレゼント企画を実施。約1億4,400万円の売上を達成し、購入数は前週比466%増を記録しました。
▶Puma(イギリス)
2024年4月、公式アフィリエイトプログラムを展開し、GMVが前週比737%増。その60%をアフィリエイト経由で獲得しました。
▶BPerfect Cosmetic(アイルランド)
2025年5月に12時間超の大型ライブ配信を実施し、視聴者数約33,000・売上108%アップを達成。
▶Hair Syrup(イギリス)
ロックダウン中に投稿した動画が60万回以上再生。TikTok Shopで約20万ドル超を売り上げ、25,000以上のクリエイターとコラボしました。
出典:Influencer Marketing Hub / EC Magazine
TikTok Shop失敗事例
導入したものの成果が出なかったケースも存在します。代表的な失敗パターンと原因を把握し、事前対策のヒントにしましょう。
▶日用品ショップ(タイ)
商品を登録したものの、TikTok Shop用の最適化を行わずに既存ECでの説明文や写真を流用し、更に動画・LIVEなどTikTokの強みを活かすコンテンツを活用しなかった結果、売上が伸びませんでした。
▶ファッションブランド(タイ)
ライブ配信を実施したものの事前告知不足で集客に失敗。コメント対応も不十分で盛り上がらず、アーカイブやアフターフォローも行わなかったため成果を得られませんでした。
失敗事例として紹介したところは率直に「当たり前にやるべきことが出来ていない」または「当たり前の基準が低かった」というようなものです。どこのECモールで成功するにも必要な要素ですが、成功事例の深掘りや実際のオペレーションの深掘りなどを事前にしっかりと行い、自社の運営に落とし込むことが最も大切です。
出典:海外進出サポートナビ
TikTok Shop成功のポイント
TikTok Shopで成果を出すには、「どのように見せるか」「誰に届けるか」という戦略がカギとなります。以下の具体施策を押さえましょう。
▶ライブ配信の活用
テーマ・シナリオ・MCトーク力の3要素が鍵となります。リアルタイムQ&Aや限定セールを盛り込み、視聴者との双方向コミュニケーションを意識しましょう。
▶インフルエンサーとのコラボ
フォロワー数よりもエンゲージメント重視。ニッチなフォロワー層に強いインフルエンサーと組むことで高いCVRが期待できます。
▶エンタメ性を求める幅広い世代をターゲットに
共感やリアルさ、ちょっとした面白さを含むショート動画は幅広い層に支持されやすく、シェア拡散を狙えます。
▶限定キャンペーンの実施
「ライブ中だけの割引」「○分以内購入で特典」など、緊張感のあるオファーで視聴→購入を加速させます。
▶商品の見直し・動画映えを意識
見た目や課題解決インパクトが数秒で伝わる商品、動画映えする色・形・使用シーンを意識しましょう。
▶データ分析とPDCA
動画・LIVEの再生数、CTR・CVR、視聴ユーザー属性などを可視化し、改善を即時反映する体制が重要です。
まとめ
TikTok Shopは、SNSの拡散力とECの購入導線を融合した「新しい発見型の売り場」です。Z世代を中心に、動画で買い物する文化が定着し始めている今、早期導入が大きな差別化要因になります。
成功のカギは、「誰に、何を、どう見せるか」という体験設計にあります。動画制作、ライブ設計、インフルエンサー戦略、データ分析など、TikTok Shopを通じて得られる知見は、他チャネルにも応用可能です。
TikTok Shopに関するご相談に関して
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この記事を監修した人

村井宏海
EnterCommerce株式会社 代表取締役
学生時代にエンタメスタートアップの関西での事業立ち上げに参画。大学卒業後、楽天のECコンサルタントとして累計1,000社以上のEC事業支援に携わり、楽天賞を複数回受賞。その後、事業戦略部門でファッションEC事業立て直しプロジェクトに携わり、様々なプロジェクトを横断的にリード。17LIVE株式会社でライブコマース事業「HandsUP」の事業責任者として立ち上げから携わり、国内導入数No.1のライブコマースサービスへの成長を牽引。2024年末に退職し、ソーシャルコマースとライブコマースを支援するEnterCommerce株式会社を創業。