TikTok Shop「LIVEオークション」とは?仕組み・利用条件・手数料・国内事例を公式規約から解説【2026年版】

TikTok Shopの「LIVEオークション(=ライブオークション)」は、LIVE配信の画面上で視聴者が入札し、最高額を提示した人が商品を落札する機能です。日本では2026年4月8日に提供が始まりました。「数百円から始まった商品が数十万円まで競り上がる」といった話題が先行する一方、誰が使えるのか、手数料はいくらか、落札後にキャンセルできるのかといった実務の情報は、公式ヘルプと規約に分散しています。
この記事では、TikTok Shop公式のセラー向けヘルプ・販売者規約・購入者規約・制限付き商品ポリシーをもとに、LIVEオークションの仕組み、利用条件、入札ルール、手数料と配送、国内の事例までを一つにまとめます。

学生時代にエンタメスタートアップの関西での事業立ち上げに参画。大学卒業後、楽天のECコンサルタントとして累計1,000社以上のEC事業支援に携わり、楽天賞を複数回受賞。その後、事業戦略部門でファッションEC事業立て直しプロジェクトに携わり、様々なプロジェクトを横断的にリード。17LIVE株式会社でライブコマース事業「HandsUP」の事業責任者として立ち上げから携わり、国内海外でのライブコマースプロジェクトを通じて400社以上を支援。退職後、ソーシャルコマースやライブコマースの支援を行うEnterCommerce株式会社を創業。
この記事の要点
- LIVEオークションは、LIVE配信中に視聴者がリアルタイムで入札し、最高額の入札者が落札する機能。日本では2026年4月8日に提供開始
- 利用できるのはTikTok Shopの審査を通過したセラーのみ。中古品は招待制カテゴリで、古物商許可証と仕入伝票の提出が必要
- 開始価格・入札額の上限は1商品50万円。入札の上げ幅は価格帯ごとに100円〜1万円で固定されている
- 最低落札価格は設定できず、落札は確定扱い(通常注文の「1時間の無料キャンセル」は適用外)。支払いが最大15分以内に完了しなければ自動キャンセル
- オークション専用の手数料率は公開されておらず、通常のカテゴリ別販売手数料(例:中古7%、コレクション9%、おもちゃ・ホビー10%)が基準になる
目次
TikTok Shop「LIVEオークション」とは
LIVEオークションは、TikTok ShopのLIVE配信中に、視聴者がリアルタイムで入札・購入に参加できる機能です。セラーが対象商品と実施のタイミングを決めてオークションを開始すると、視聴者は配信を見ながら金額を入力して入札し、カウントダウン終了時点で最高額を提示していた視聴者が商品を落札します。セラー向けヘルプでは「カウントダウン入札」とも表記されています。
TikTok Japanは提供開始の発表で、この機能を、商品の細部や質感をLIVEで確認しながら、コメントでセラーに質問でき、入札状況がリアルタイムに共有される中で「その瞬間の価格」が決まる参加型のショッピング体験と位置づけています。
通常のLIVE販売との違い
同じLIVE配信での販売でも、通常の商品販売とオークションでは「価格を誰が決めるか」が根本的に異なります。
| 通常のLIVE販売 | LIVEオークション | |
|---|---|---|
| 価格の決まり方 | セラーが販売価格を設定 | セラーは開始価格のみ設定し、最終価格は入札で決まる |
| 1回に売れる数 | 在庫の範囲で複数の購入者に販売 | 1回のオークションで1点。同時に実施できるのは1件 |
| 購入の確定 | 購入から1時間は無料キャンセル可能 | 落札時点で確定。無料キャンセルは適用外 |
| 決済のタイミング | 購入者がチェックアウトで支払う | 事前登録した支払方法に、落札と同時に自動で請求 |
| 利用できるセラー | TikTok Shopの全セラー | 審査を通過したセラーのみ |
通常のLIVE販売が「決まった価格で、欲しい人に届ける」仕組みであるのに対し、LIVEオークションは「価格そのものを配信の場で決める」仕組みです。そのため、定価が付けにくい一点物や、市場での評価が日々動く商品と組み合わせることが前提になっています。
LIVE配信での販売全般についてはTikTok Shop ライブコマースの魅力と売上アップ10の秘訣で解説しています。
日本での提供開始の経緯
TikTok Shopは2025年6月30日に日本でのサービスを開始しました。TikTok Japanの発表によると、2025年6月30日から12月末までの期間で、全体流通総額の約70%がコンテンツを起点とした購入によるもので、登録セラー数は開始当初の約3倍にあたる5万店以上、クリエイターは20万人以上に拡大しています。
LIVEオークションは、この「コンテンツから購入が生まれる」構造の上に、2026年4月8日に追加された機能です。発表では、数量限定のブランドコラボレーション商品や先行販売商品をはじめとする幅広いカテゴリで提供を開始し、中古品は一部カテゴリから段階的に拡大していくとされています。TikTok Shopの全体像を先に押さえたい方はTikTok Shopとは?完全ガイドをご覧ください。
LIVEオークションの仕組み|入札から落札・決済までの流れ
ここからは、公式ヘルプと購入者向け規約に書かれているルールを、入札の流れに沿って整理します。
1. 購入者は事前に支払方法と住所を登録する
購入者向けの規約では、入札に参加するための条件として次の3つが定められています。
- アカウントに有効な支払方法(クレジットカード・デビットカード・Apple Pay)と配送先住所を登録していること
- 18歳以上であること
- TikTok上で良好な利用状況にあること
支払方法を入札前に登録させるのは、落札と同時に決済を実行するためです。通常の購入のように、落札後に購入者が改めてチェックアウトする工程はありません。
2. 入札の上げ幅は価格帯ごとに固定されている
入札額は自由に入力できるわけではなく、現在の価格帯に応じた固定の上げ幅で上がっていきます。
| 現在の価格帯 | 入札の上げ幅 |
|---|---|
| 0円〜3,000円 | 100円 |
| 3,001円〜10,000円 | 200円 |
| 10,001円〜30,000円 | 500円 |
| 30,001円〜80,000円 | 1,000円 |
| 80,001円〜150,000円 | 2,000円 |
| 150,001円〜250,000円 | 5,000円 |
| 250,001円〜500,000円 | 10,000円 |
上限は1商品あたり500,000円です。開始価格も入札額もこの額を超えられず、入札が上限額に達した時点でオークションは終了し、その入札者が落札します。
3. 上限額を決めておける「自動入札」
購入者は、自分が払ってもよい上限額を入力しておく「上限入札(自動入札)」を使えます。上限額を入れておくと、システムが購入者の代わりに入札し、上記の上げ幅ルールに従いながら、最高入札者であり続けるために必要な最低額だけを自動で上乗せします。上限額そのものが一気に提示されるわけではありません。
4. 終了方式は「固定」と「延長」の2種類
オークションの終わり方は、セラーが次の2種類から選びます。
| 方式 | 終わり方 |
|---|---|
| 固定オークション(時間制) | カウントダウンがゼロになった時点で終了。終了間際に入札があっても時間は延びない |
| 延長オークション | 終了直前に入札が入ると残り時間が戻り、入札が止まるまで繰り返される |
セラー向けヘルプでは、延長オークションについて「最後の10秒間に入札が行われた場合、タイマーが10秒にリセットされる」と説明されています。オークションの制限時間は既定で30秒、1分または2分も選べ、公式は盛り上げる目的で短い30秒を推奨しています(後述する「一時出品」では最大5分まで設定可能)。
販売者規約では、延長形式で実施するかどうかを購入者に明確に伝える責任はセラーにあるとされています。配信の中で、どちらの方式で行うかを事前に告げておく必要があります。
5. 落札と同時に決済、支払いは最大15分以内
オークションが終了して落札額が確定すると、注文が自動で作成され、登録済みの支払方法への請求が直ちに実行されます。
カードの残高不足などで支払いに失敗した場合、落札者には支払方法を更新するための15分間の猶予が与えられます。この間、その商品の在庫数は減りません。販売者規約では、LIVEコンソールのカウントダウンで示される時間内(最大15分)に支払いが完了しなければ注文は自動でキャンセルされ、セラーは同じLIVE配信の中でその商品を再びオークションにかけられると定められています。支払いが処理できなかった購入者は、以後のオークションへの参加が制限されることがあります。
6. 入札の撤回も、落札後のキャンセルもできない
購入者向けの規約では、すべての入札は拘束力を持ち、一度行った入札は撤回できないと定められています。落札についても、通常の商品購入に設けられている「購入から1時間の無料キャンセル期間」は適用されず、落札時点で確定します。例外は、セラーがフルフィルメントの所要時間基準を満たせなかった場合です。
一方、返品・返金には、TikTok Shopの通常の「キャンセル・返品・返金ポリシー」が適用され、法令上購入者に認められる権利は制限されないと明記されています。オークションだからといって、返品対応が一切不要になるわけではありません。
LIVEオークションの利用条件|誰が使えるのか
LIVEオークションは、TikTok Shopのセラーであれば誰でも使える機能ではありません。条件は「セラー全般」「中古品を扱うセラー」「中古トレーディングカード・中古ラグジュアリー」の3段階で重なっています。
セラー全般の条件|事前審査の通過
TikTok Japanの発表では、LIVEオークションを利用できるのはTikTok Shopによる事前の厳格な審査を通過したパートナーに限定されるとしています。販売者規約に書かれている参加の前提は次のとおりです。
- TikTok Shopで良好な状態にあること
- 未解決のポリシー違反がないこと
- 残高が正常で、支払い・パフォーマンス上の問題がないこと
- その他TikTokが定める要件を満たすこと
ショップの評価指標にどの数値基準が設けられているかは、日本向けの公式ヘルプ・規約には記載されていません(2026年9月30日時点)。インターネット上には具体的な数値を挙げる解説もありますが、日本の一次情報では確認できないため、自社が対象かどうかはセラーセンターの表示と担当のアカウントマネージャーへの確認で判断してください。
ポリシー違反が残っていると審査の前提を満たせません。違反の種類と影響はTikTok Shopセラーセンターとは?登録・使い方ガイドから確認できます。
中古品を扱うセラーの条件|古物商許可証と仕入伝票
中古品をオークションにかける場合は、さらに条件が加わります。TikTok Japanの発表では、中古品を扱うセラーに対して「古物商許可証」と、流通の透明性を高めるための「仕入伝票」の提出を義務付けています。また、制限付き商品ポリシーでは、中古商品カテゴリそのものが「招待された出品者のみ利用可能」とされています。
つまり中古品のオークションは、オークション機能の審査と中古カテゴリへの招待の両方を通って初めて実施できるということです。
中古トレーディングカード・中古ラグジュアリーの追加要件
取引金額が大きくなりやすいカテゴリには、個別の要件があります。
| カテゴリ | 主な要件 |
|---|---|
| 中古トレーディングカード | 高額カードは公認鑑定機関による鑑定証明書が必要。業界標準のグレーディング用語で状態を表記する。仕入先情報・購入記録・鑑定書類・取引履歴を最低3年間保管する。偽造品・レプリカ、出所が不明なカードは禁止 |
| 中古ラグジュアリー | 一般社団法人日本流通自主管理協会(AACD)の会員か否かで審査内容が異なる。非会員は外部ECでの販売実績の証明などが求められる |
トレーディングカードの鑑定書が必要になる金額は、公式の資料によって表記が異なります。詳しくは後述の「公式情報どうしで表記が異なる5つのポイント」で整理します。
クリエイター(アフィリエイト)は実施できるのか
「クリエイターが自分のLIVEでオークションを開けるのか」はよく聞かれる論点ですが、日本向けの公式ヘルプ・規約には、アフィリエイトクリエイターがLIVEオークションを実施できるかどうかの記載はありません(2026年9月30日時点)。
販売者規約にあるのは、セラーに紐づく「TikTok Shopマーケティングアカウント」を管理している場合、そのアカウントがセラーを代表してオークション活動を行う権限を与えられたものとみなす、という条項です。ブランドの公式アカウント以外の運用アカウントでオークションを行う場合は、この位置づけを踏まえて、セラー側の責任で運営することになります。
出品できる商品と価格上限
対象になる商品
TikTok Japanの発表で挙げられている対象は、数量限定のブランドコラボレーション商品、先行販売商品をはじめとする幅広いカテゴリです。中古品は開始時点で一部カテゴリのみが対象で、段階的に拡大するとされています。
「オークション=中古品の機能」と捉えられがちですが、公式の説明はそうなっていません。新品であっても、数量が限られ、価格への期待が生まれる商品は対象に含まれます。
一方、セラー向けヘルプでは、ポリシー違反の商品、「オークション制限カテゴリー」に該当する商品、出品情報に不備がある商品は審査で却下されると説明されています。制限カテゴリの一覧は公開されていないため、出品予定の商品が対象になるかは、実際に「オークション商品」として登録申請したうえで審査結果を確認することになります。出品できるカテゴリ全般の条件はTikTok Shop 出品可能商品カテゴリーが拡大!も参考にしてください。
価格上限は1商品50万円
開始価格・入札額(自動入札の上限額を含む)の上限は1商品あたり500,000円です。TikTok Japanは、この上限を中古品の取引の安全性を担保するための措置の一つとして挙げています。上限を超える価格帯の商品は、LIVEオークションでは扱えません。
「サプライズセット」とは
セラー向けヘルプには、一部のセラーにのみ提供されている「サプライズセット」という形式も記載されています。複数の商品を賞品プールとしてまとめてオークションにかけ、落札後にルーレットで受け取る商品が決まる仕組みです。
- 入札の上限は100,000円
- 1セットに含められる商品は最大500点
- 作成はPC版のLIVEマネージャーから
公式は、賞品プールに残っている商品の最低価格を事前に開示し、購入者に当選確率の確認方法を案内することを推奨しています。販売者規約ではギャンブルを想起させる表現が禁止されているため(後述)、サプライズセットの見せ方には特に注意が必要です。
LIVEオークションの設定方法
審査を通過したセラーが、実際にオークションを開始するまでの手順は次のとおりです(セラー向けヘルプに基づく)。
- 商品を「オークション商品」に指定する:セラーセンターの商品管理で対象商品の「オークション商品」をオンにする。Excelによる一括指定も可能
- LIVEイベントを作成する:LIVEマネージャーで配信イベントを作る
- オークション商品を追加する:オークションタブの「+商品を追加」から対象商品を選ぶ
- 条件を設定する:開始価格(500,000円以下)、オークション時間(既定30秒、1分・2分も選択可)、入札モード(固定/延長)を設定する
- 配信中に開始する:LIVE配信中に「開始」を押すとカウントダウンが始まる
開始価格は、既定ではセラーセンターで設定した価格が入りますが、オークションごとに編集できます。公式は低めの開始額を推奨していますが、必須ではありません。なお、オークション開始後は、時間・価格・構造などの条件を変更できず、商品の編集・削除やピン留めの解除もできません。開始前の設定確認が重要です。
在庫と連動しない「一時出品」
一点物を大量に扱うセラー向けに、「一時出品」という出品方法も用意されています。LIVE配信用に一時的に商品を登録する機能で、公式ヘルプに書かれている特徴は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 審査時間 | 通常20〜30秒程度、長くても2分ほど |
| 在庫との関係 | ストアの在庫とは同期せず、LIVE終了後に削除される |
| 実施回数 | 1つの一時出品で最大1,000回(1,000点)のオークションを実施可能 |
| 一括アップロード | 1ファイル500行・5MBまで |
| 制限時間 | 最大5分まで設定可能 |
| 購入できるタイミング | LIVEオークション中のみ。開始前や終了後には購入できない |
一時出品は、商品ごとに商品ページを作り込む必要がないため、査定済みの中古品やカードのように「1点ずつ状態が違う商品」を連続でオークションにかける場合に向いた仕組みです。ただし販売者規約では、簡易的な出品機能を使う場合でも、配信中に示す商品情報が法令上の表示要件を満たすこと、その記録を保持することはセラーの責任であると明記されています。
手数料と配送|オークションでも通常の料率が基準
販売手数料はカテゴリ別の料率
検索でよく調べられているのが「オークションの手数料」ですが、LIVEオークション専用の手数料率は、公式ヘルプ・規約には記載されていません(2026年9月30日時点)。販売手数料はTikTok Shopの通常の料率表に従い、商品カテゴリごとに算出されます。オークションで扱われやすいカテゴリの料率は次のとおりです。
| カテゴリ | 販売手数料率 |
|---|---|
| 中古 | 7% |
| 家電/スマホ・デジタル機器 | 7% |
| 家具 | 7% |
| コレクション | 9% |
| 本、雑誌、オーディオ | 9% |
| おもちゃ・ホビー | 10% |
| アクセサリー・ジュエリー | 10% |
| シューズ | 10% |
オークションでは最終価格が事前に分からないため、手数料も落札額に応じて変動します。料率表の全体と、カテゴリの例外規定はTikTok Shopの手数料 完全解説【2026年5月改定対応】で詳しく解説しています。
最低落札価格がないことを前提に採算を考える
手数料以上に重要なのが、LIVEオークションでは最低落札価格(リザーブ価格)を設定できないという規約です。販売者規約には、オークションはタイマーの終了とともに締め切られ、最終入札額にかかわらず最高額の入札者に商品を販売しなければならないと定められています。
つまり、開始価格が実質的な最低価格になります。開始価格を低く設定すれば入札は集まりやすくなりますが、入札が伸びなかった場合でもその価格で販売する義務が生じます。「この価格を下回ったら売らない」という線は、開始価格でしか引けないことを踏まえて、商品ごとに開始価格を決める必要があります。
同じ購入者の注文はまとめて配送できる
1回のLIVEで同じ購入者が複数の商品を落札することは珍しくありません。日本のLIVEオークションには専用の一括配送の仕組みがあり、同じ購入者が落札した複数の商品をまとめて発送できます。
LIVE注文の自動合算機能をオンにすると、通常のLIVE注文とオークション注文も合算の対象になります。合算の猶予時間は、送料無料型で3時間、追加送料型で6時間です。また公式は、配送料の収支がマイナスにならないよう、出品時に商品の重量と寸法を正確に設定するよう案内しています。
販売者規約で押さえておくべき7つのルール
LIVEオークションには、通常のLIVE販売にはない専用の販売者規約があります。審査に通った後に違反すると、オークションの取消しや今後の参加制限、ペナルティの対象になります。実施前に押さえておくべきルールを7つに整理します。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 1. 最低落札価格は設定不可 | タイマーの終了とともに締め切られ、最高額入札者に販売する義務がある |
| 2. 1オークション1点・同時1件 | 同じ商品を複数販売する場合も、1点ずつ個別に実施する |
| 3. 開始後は条件変更不可 | 時間・入札価格・オークション構造を開始後に変更できない |
| 4. 不正な入札の禁止 | 自己入札、共謀による価格のつり上げ(サクラ入札)、ボットの利用は禁止 |
| 5. プラットフォーム外取引の禁止 | DMや外部アプリでの支払い要求、外部取引への誘導リンクや連絡先の提示は重大な違反 |
| 6. ギャンブルを想起させる表現の禁止 | サイコロ・ルーレット等の用語や画像、「賭け」「運試し」「宝くじ」等の表現を使ってはならない |
| 7. 許認可はセラーの責任 | オークションの開催と商品の販売に必要な許認可は、セラー自身の責任で取得する |
表現の規制は「配信トーク」にも及ぶ
6つ目のギャンブル関連表現の禁止は、商品ページだけでなく、商品を広告・宣伝・表示するあらゆる方法が対象です。オークションは競り合いの高揚感が魅力である一方、盛り上げのための言葉選びが規約違反に直結しやすい領域です。配信者が複数いる場合は、NG表現を事前に共有しておく必要があります。
加えて販売者規約では、返品率の低減や紛争解決のために、TikTokがオークションのLIVE配信(音声・映像・商品説明・やり取り)を記録し、購入者に提供する場合があるとされています。配信中の商品説明は、後から検証される前提で話す必要があります。
古物商の「競り売り」との関係は事前に確認を
7つ目の許認可について、中古品を扱う場合は古物営業法の確認が欠かせません。古物営業法には、古物商が競り売りを行う際の届出に関する規定があります。LIVEオークションでの販売がこれに当たるか、届出が必要かは、主たる営業所を管轄する警察署に事前に確認してください。規約上、許認可の取得は「自らの責任」とされており、プラットフォームが代わりに判断してくれるものではありません。
国内のLIVEオークション事例
LIVEオークションで何が起きているのかを、国内の公開情報から整理します。
TikTok Shopでの公開事例の状況
当社が、TikTok Japanの公式発表、プレスリリース配信サイト、EC業界紙の記事を確認した範囲では、TikTok ShopのLIVEオークションについて、実施したショップ名と結果の数値がそろった国内の公開事例は、2026年9月30日時点で確認できません。
一方で、ライブショッピングランキングの上位ショップはポケモンカードのオークションやブランド中古品のショップの存在感が増しており、トクトクセール最終日の2026年9月30日時点のライブショッピングランキングの上位30ショップ中は10ショップはオークション専門のショップと1/3以上を占める形となっていました。
公式が想定している3つの活用領域
公開事例が限られる中で、どんな使い方が想定されているかは、公式の発表と規約から読み取れます。
| 領域 | 公式情報での位置づけ | オークションと相性がよい理由 |
|---|---|---|
| 数量限定のブランドコラボ・先行販売 | 提供開始時の対象として発表で明記 | 数が限られ、定価以上の価値を感じる購入者がいる |
| 中古品(ブランド品・宝飾品など) | 一部カテゴリから段階的に拡大。古物商許可証・仕入伝票の提出が必要 | 1点ずつ状態が異なり、定価を付けにくい |
| トレーディングカード | 中古トレカに鑑定書・記録保管の要件を個別に設定 | 市場価値の変動が大きく、その時点の価格を入札で決められる |
3つに共通するのは、「セラーが正しい値段を一つに決めにくい商品」であることです。定価販売では、値付けが安すぎれば利益を逃し、高すぎれば売れ残ります。オークションは、その判断を配信の場の需要に委ねる仕組みだと言えます。実際に弊社で試験運用した際も、通常販売商品などではなく、オークション用に開発したセット商品の方がユーザーの反応も高く、オークションに最適化した値付けが設定できるので最終利益が担保しやすい傾向でした。
通常のLIVE販売やショート動画で成果を出した国内事例はTikTok Shop 成功事例9選にまとめています。
LIVEオークションに向いている商品・向いていない商品
ここまでの仕様を踏まえると、LIVEオークションを検討すべきかどうかは、商品の性質でおおよそ判断できます。
| 向いている商品 | 向いていない商品 | |
|---|---|---|
| 数量 | 一点物・数量限定 | 同じ商品を大量に売りたい |
| 価格 | 定価が付けにくい、相場が動く | 定価が明確で、値崩れを避けたい |
| 価格帯 | 50万円以下で、価格への期待が生まれる | 50万円を超える、または極端に低単価 |
| 見せ方 | 状態や質感を映像で確かめたい | 画像と説明文だけで判断できる |
定番商品をオークションにかける時の注意
購入者向けの規約には、オークションに出される商品が、TikTok Shopの他の場所で固定価格により販売されている場合がある、と明記されています。定番商品をオークションにかけると、落札額が通常の販売価格を下回ることもあり得ます。最低落札価格を設定できない以上、ブランドの価格を守りたい商品は、オークションの対象から外すのが基本です。
一方で、数量限定のコラボ品や先行販売品のように、通常価格の基準がまだない商品であれば、オークションで付いた価格そのものが商品の価値の指標になります。
LIVEオークションを始める前のチェックリスト
最後に、実施までに確認しておくべき項目を一覧にします。
| 区分 | 確認項目 |
|---|---|
| 利用資格 | 未解決のポリシー違反がないか/セラーセンターにオークション機能が表示されているか/アカウントマネージャーに審査の状況を確認したか |
| 中古品 | 古物商許可証と仕入伝票を用意したか/中古カテゴリの招待を受けているか/競り売りの届出の要否を所轄警察署に確認したか |
| トレカ・高額品 | 鑑定書を用意したか(基準額は厳しい側で判断)/仕入・取引記録を3年間保管する体制があるか |
| 商品設定 | 開始価格は「この価格で売れても問題ない」水準か/重量と寸法を正確に登録したか |
| 配信 | 固定か延長かを視聴者に告知する準備があるか/ギャンブルを想起させる表現を避けるよう配信者と共有したか |
| 落札後 | 未払い時の再オークションの判断基準を決めたか/同一購入者の合算配送の設定を確認したか |
LIVE配信はTikTok Shopの大型セールとも連動します。オークションを配信に組み込む場合も、セールの開催サイクルに合わせて計画すると集客の面で有利です。開催サイクルはTikTok Shop「トクトクSALE」とは?とTikTok Shopセールカレンダー2026で確認できます。
TikTok Shop LIVEオークションに関するよくある質問
- TikTok ShopのLIVEオークションはいつから使えますか?
- 日本では2026年4月8日に提供が始まりました。ただし、すべてのセラーが使えるわけではなく、TikTok Shopの事前審査を通過したセラーに限られます。自社が対象かどうかは、セラーセンターの表示とアカウントマネージャーへの確認で判断してください。
- LIVEオークションの手数料はいくらですか?
- オークション専用の手数料率は、公式ヘルプ・規約には記載されていません(2026年9月30日時点)。販売手数料は通常のカテゴリ別料率に従い、たとえば中古は7%、コレクションは9%、おもちゃ・ホビーは10%です。手数料は落札額に対して算出されます。
- いくらまで出品・入札できますか?
- 開始価格・入札額ともに、1商品あたり500,000円が上限です。入札が上限額に達した時点でオークションは終了し、その入札者が落札します。一部のセラーに提供されているサプライズセットは、入札上限が100,000円です。
- 落札した後にキャンセルできますか?
- できません。入札はすべて拘束力を持ち撤回できず、通常の商品購入に設けられている1時間の無料キャンセル期間も適用されません。例外は、セラーがフルフィルメントの所要時間基準を満たせなかった場合です。返品・返金には通常のポリシーが適用されます。
- 落札者が支払わなかった場合はどうなりますか?
- 支払いに失敗した落札者には、支払方法を更新する15分間の猶予があります。最大15分以内に支払いが完了しなければ注文は自動でキャンセルされ、セラーは同じLIVE配信の中でその商品を再度オークションにかけられます。猶予中、商品の在庫数は減りません。
- 最低落札価格は設定できますか?
- 設定できません。販売者規約で、オークションはタイマーの終了とともに締め切られ、最終入札額にかかわらず最高額の入札者に販売しなければならないと定められています。実質的な最低価格は、セラーが設定する開始価格になります。
- 中古品をオークションに出すには何が必要ですか?
- オークション機能の審査に加えて、古物商許可証と仕入伝票の提出が必要です。中古商品カテゴリは招待制です。中古トレーディングカードは高額品で鑑定証明書が必要となり、記録の3年間保管も求められます。古物営業法上の競り売りの届出の要否は、所轄の警察署に確認してください。
- クリエイターは自分のLIVEでオークションを開けますか?
- 日本向けの公式ヘルプ・規約には、アフィリエイトクリエイターがLIVEオークションを実施できるかどうかの記載はありません(2026年9月30日時点)。販売者規約には、セラーに紐づくマーケティングアカウントがセラーを代表してオークションを運営できる旨の条項があります。
まとめ
TikTok Shop「LIVEオークション」の要点を整理します。
- LIVEオークションは、LIVE配信の場で価格そのものを決める機能。日本では2026年4月8日に提供開始
- 利用は審査を通過したセラーのみ。中古品は招待制カテゴリで、古物商許可証と仕入伝票が必要
- 上限は1商品50万円。入札の上げ幅は価格帯ごとに固定で、自動入札も使える
- 最低落札価格は設定できず、落札は確定扱い。開始価格が実質的な最低価格になる
- 規約では、サクラ入札・外部取引・ギャンブルを想起させる表現が禁止され、許認可の取得はセラーの責任
- 公式情報の間に表記の差がある論点があるため、実施前に最新のヘルプと規約を確認する
LIVEオークションは、定価を付けにくい商品にとって新しい売り方になる一方、最低落札価格がない、落札後のキャンセルができないなど、通常の販売とは前提が大きく違います。まずは自社の商品が「一つの値段を決めにくい商品」に当たるかを見極めるところから始めてください。
TikTok Shopの運用支援について
EnterCommerceは、TikTok Shopの運用代行(TSP)・LIVE配信の企画運営・クリエイターネットワークを活用した販売支援を一体で提供しています。LIVE配信の設計から、キャンペーンへのエントリー管理、配信後の数値分析までを継続的に支援しています。
TikTok Shopの運用にご関心のある方は、右上のお問い合わせボタンよりお気軽にご連絡ください(30秒で終わります)。
出典:TikTok Japan「TikTok Shop、日本で『LIVEオークション』機能を開始」(2026年4月8日)、TikTok Shop セラー向けヘルプ「LIVEオークション(カウントダウン入札)」「LIVEオークション カードの登録方法」「ライブオークションに関する販売者利用規約」「ライブオークション利用規約(購入者向け)」「制限付き商品」「販売手数料」、日本ネット経済新聞(2026年4月8日、6月22日)。記事内の仕様・条件は2026年9月30日時点の公開情報に基づきます。最新の内容はセラーセンターでご確認ください。



